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鶴田 忠彦; 原田 久也*; 御園生 敏治; 松岡 稔幸; 程塚 保行*
Journal of Oceanography, 73(5), p.547 - 558, 2017/10
被引用回数:11 パーセンタイル:47.82(Oceanography)福島県の沿岸域(沖合約5km程度まで)について、海底地形、海底土の堆積状況及び海底土の放射性Csの分布状況について調査を行った。放射性Csが農集する地点は凹状の窪地を有する特異な地点に限られ、その他の地点は、陸域と比較して放射性Cs量として2から3オーダー程度少ないことが明らかになった。
中村 博雄; 竹村 守雄*; 山内 通則*; Fischer, U.*; 井田 瑞穂*; 森 清治*; 西谷 健夫; Simakov, S.*; 杉本 昌義
Fusion Engineering and Design, 75-79, p.1169 - 1172, 2005/11
被引用回数:6 パーセンタイル:40.41(Nuclear Science & Technology)国際核融合材料照射施設(IFMIF)は、核融合材料照射用の中性子源である。IFMIFの液体リチウムターゲットでは、ターゲットアセンブリが中性子照射により放射化する。特に、背面壁の放射化損耗腐食生成物は、Liループに分布するため、装置保守作業時の近接性に影響を与えることが予想される。本論文では、ACT-4コードを用いて、放射化腐食生成物の機器への分布付着に伴う近接性について評価した。背面壁材料は316ステンレス鋼、損耗腐食面積は100平方cm、ループ内表面積は33平方m、損耗腐食速度は1年あたり1ミクロンとし、核データはIEAF-2001を使用し、1年間運転後の放射化レベルを評価した。その結果、1時間あたり10microSvを、近接性の基準値とすれば、放射化腐食性生成物のループへの付着を1%程度に低減すれば、1週間後に8cmまでの近接作業が可能であり、1か月後には、直接手で触れる保守作業が可能であることを示した。
山内 通則*; 竹村 守雄*; 中村 博雄; Fischer, U.*; 井田 瑞穂*; 森 清治*; 佐藤 聡; 西谷 健夫; Simakov, S. P.*; 杉本 昌義
Fusion Science and Technology, 47(4), p.1008 - 1011, 2005/05
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)IFMIFリチウムループ中では、強力な中性子に照射されたターゲット背壁の放射化と腐食により大量の放射性腐食生成物が発生する。原研で開発された放射化計算コードACT-4, FENDLに基づく核融合炉用放射化断面積ライブラリー及び加速器用放射化断面積ライブラリーIEAF-2001を用いてその量を計算した。その結果、リチウム中の放射性腐食生成物は反応生成物Be-7に比べて非常に少ないことがわかったが、あいにくループの内壁に対する沈着挙動等リチウム中での腐食生成物の化学的特性データがほとんどない。そこで、1年間の運転によりリチウム中に発生した放射性腐食生成物の100%沈着を想定してリチウム配管周りの空間線量率を評価したところ、配管表面での作業のためには1年ほど冷却を待たないと許容線量率以下にならないことがわかった。したがって、保守作業のためには、放射性腐食生成物についても効率の良いリチウム浄化装置が必要である。
熊田 博明; 岸 敏明; 堀 直彦; 山本 和喜; 鳥居 義也
Research and Development in Neutron Capture Therapy, p.115 - 119, 2002/09
現在実施されている熱中性子ビームによるBNCTでは、患者頭部の照射領域外の正常組織に対する照射線量を抑えるため、濃縮リチウム入り熱可塑性プラスチック(リチウムヘルメット)をターゲット領域周辺に取り付け、照射領域を絞って照射を行っている。しかし、将来実施が期待されている熱外中性子ビームを用いたBNCTにおいては、このリチウムヘルメットでは熱外~高速中性子ビームに対して十分な遮へい効果が期待できないため、これに代わる技術が必要であった。そこで、ビーム孔部のコリメータを板厚6mm幅108.5mm奥行き60mmのフッ化リチウム入ポリエチレンのスライドを多数重ね合わせ(左右30枚ずつ)、任意のビーム孔形状を設定可能なマルチリーフコリメーターの開発を行った。このマルチリーフコリメータをBNCTに適用することにより、患部外の正常組織への線量を抑え、ターゲット領域に対して適切な線量を与えるBNCT照射の実施が可能となる。このマルチリーフコリメータの検証結果と性能について報告を行う。
Von-Moellendorff, U.*; 前川 藤夫; Giese, H.*; Wilson, P. P. H.*
Fusion Engineering and Design, 51-52(Part.B), p.919 - 924, 2000/11
被引用回数:4 パーセンタイル:32.51(Nuclear Science & Technology)国際核融合材料照射施設(IFMIF)ではリチウムターゲットに40MeV重陽子を入射することによりD-T中性子源とは異なる中性子場が形成され、その中で15MeV以上の高エネルギー中性子は全体の15%に及ぶと予想されている。これにより、D-T中性子場では起こり得なかった多数の反応チャンネルが新たに開く。一方、現在ロシアでは150MeVまでの高エネルギー放射化断面積ファイル(IEAF)の評価が行われている。IEAFの断面積の精度を調べるために、ドイツ・カールスルーエ研究所のd-Li中性子源を用いて放射化実験を行った。核融合炉の構造材であるステンレス鋼316、F82H、純バナジウム及びバナジウム合金をd-Li中性子場において照射し、誘導放射能を測定した。解析をALARA放射化計算コードとIEAFを用いて行い、実験及び解析結果の比較からIEAFに含まれている放射化断面積の精度を実験的にテストした。
Gulden, W.*; Cook, I.*; Marbach, G.*; Raeder, J.*; Petti, D.*; 関 泰
Fusion Engineering and Design, 51-52(Part.B), p.419 - 427, 2000/11
被引用回数:5 パーセンタイル:37.61(Nuclear Science & Technology)欧州核融合計画の中で核融合動力炉の環境・安全性を定量化するSEAFP及びSEALと呼ばれる検討評価が、トカマク炉を対象としてなされた。その最新の成果を米国のARIES-RS炉と日本のDREAM炉の検討結果と比較する。またITER-EDAから得られた貴重な教訓についても報告する。二つの主な成功要件である「いかなるプラント内事故によっても公衆避難を要しないこと」及び「将来世代に放射性廃棄物の負担を残さない」を核融合炉が満たすこと、及びこれらの要件が欧州電力事業の軽水炉プラントに対する基本的安全目標に適合することを示す。
関 泰
プラズマ・核融合学会誌, 74(9), p.939 - 943, 1998/09
欧州においてなされた二つの核融合炉の環境安全性検討プロジェクトSEAFP(Safety and Environmental Assessment of Fusion Power)とSEAL(Safety and Environmental Assessment of Fusion Power - Long Term)の概要を文献に基づいて紹介する。
前川 藤夫; 和田 政行*; 池田 裕二郎; U.Moellendorff*; H.Tsige-Tamirat*
Fusion Technology 1998, 2, p.1465 - 1468, 1998/00
IEA国際協力研究のサブタスク「中性子工学」の一環として、d-Be中性子場におけるステンレス鋼-316(ITER仕様)と低放射化フェライト鋼F82Hの放射化積分実験を行った。ドイツ・カールスルーエ研究所のサイクロトロンを用いて19-MeVに加速した重水素ビームをベリリウムターゲットにあて、d-Be反応により生成する中性子を試料に照射した。その後、試料中に生成した誘導放射能を高純度ゲルマニウム検出器で測定した。その結果、ステンレス鋼-316と比較した時のF82H鋼の低放射化特性が実証された。また、生成する誘導放射能をACT4コードとFENDL/A-2.0及びJENDL放射化ファイル、またFISPACTコードとEAFライブラリを用いて計算した。計算結果は実験値と比較的良く一致し、これらのコード及び放射化断面積ライブラリが妥当であることが分かった。
池田 裕二郎; 今野 力; 前川 藤夫; 宇野 喜智; 大山 幸夫; 小迫 和明*; 前川 洋
Fusion Engineering and Design, 28, p.449 - 456, 1995/00
先の核融合中性子場における誘導放射能の実験解析の結果、放射化断面積データの不備のみならず、中性子スペクトル計算の不確定性が、放射化計算の予測精度の誤差要因であることが示された。そこでD-T中性子を入射したSS316の大型体系中の、特に14MeV以下熱中性子エネルギーに及ぶ低エネルギー領域の中性子が支配的な場での誘導放射能を測定し実験解析を行った。放射能の内、中性子源に近い領域では、14MeV中性子によるしきい反応の寄与が大きいが、深くなるに従って、(n,)反応の寄与が支配的になることが示され、中性子スペクトルが柔らかい場でのベンチマークデータとしての有効性が示された。誘導放射能計算コード、ACT4、REAC3、放射化断面積ライブラリー、JENDL-3,REAC3,FENDL/A1.1,EAF-3を用いて実験解析を行い、生成放射性核種ごとの測定値との比較を行った。
熊原 忠士
応用物理, 42(10), p.1027 - 1029, 1973/10
半導体検出器を用いたスペクトロメータのエネルギ分解能は、本質的に使用する増幅器系の特性に大きく依存している。このため、さらに高い分解能をもつシステムに対する要求から、半導体検出器用の増幅器系の低雑音化と計数率特性の改善が継続的に進められてきた。とくに半導体X線スペクトロメータの分野における増幅器系の特性改善が顕著であった。雑音の点では主として前置増幅器の入力段素子や回路構成が検討され、計数動特性の点では主として主増幅器のフィルタや後置増幅器に設けられるベースライン・レストアラなどの回路構成が検討された。最近ではこれらの個との構成ユニットの局部的な回路だけでなく、全システムにわたる回路構成法の検討が進められる傾向にある。ここでは半導体検出器用の低雑音パルス増幅器に関するこの数年間の高分解能化技術に対する内外の動向の概要を述べたものである。
Held, A.*; 堅田 元喜
no journal, ,
葉の湿り度は、植物と大気の間の交換過程の気象学・農学・環境学の重要な要素である。葉表面の水膜は大気物質の化学反応体として機能し、水溶性の物質がその水膜に容易に吸収される。本研究では、オウシュウトウヒの葉に直接設置したセンサーを用いた葉の湿り度観測と、葉洗浄法による無機イオンの沈着量の推定を行った。観測はバイロイト大学の保有する生態学研究サイトで実施した。葉の湿り度を支配する重要な気象要素(相対湿度・風速)と葉の湿り度の観測結果を比較した。さらに、多層大気-植生-土壌モデルSOLVEGを用いて葉の湿り度の再現計算を試みた。本研究を通じて、葉の湿り度が植生と大気の間の水交換や植生への大気沈着などの多様な現象に影響するものであり、学際的なプロジェクトで研究を進めるべきテーマであることが示された。